今自分にできることは・・・・
陸前高田市にある老舗醤油メーカー八木澤商店の醤油を初めて購入したのは、5~6年くらい前でしょうか。
ネットで購入した商品には手書きの手紙が添えられ、しかもその手紙はありきたりでない温かさを感じるもので、それからリピーターになりました。
そして、4年前の3月11日、陸前高田市は津波に飲み込まれ、壊滅的被害を受けました。
八木澤商店も、店舗も蔵も工場も跡形もなく流失したようです。
ところが震災から1ヶ月もたたないうちに、八木澤商店は、営業再開の目途もたたない中で、パートを含む全従業員の雇用を確保すると約束し、現社長が社長に就任しました。
河野社長は、避難した高台から自社が流されていくのを見つめながら、「売上ゼロで何か月間従業員に給料を払い続けられるか」を考えていたそうです。
今自分にできることは、雇用を確保し、従業員の家族の生活を守ることだと・・・。
事業が順調にいかないとき、人件費を削ることは大きな選択肢の1つですよね。
実際にそんな相談を受けることもありますし。
職業柄、経営者の味方でいることが多くなりがちですが、私の立ち位置も考えたほうがいいのかな・・と反省です。
なにがなんでも雇用を守る!という経営者の姿勢が、会社の社風を創り出すような気もするし・・・。
河野社長はかつて「営利企業だから利益があってなんぼ」、「従業員のつながりなんて、クソくらえ」という利益至上主義だったようですが、中小企業の経営者たちとの出会いの中で考えを改めたそうです(試算表を見ながら、利益の話いっぱいしてるかも、私・・・(汗))。
「強いものだけが勝ち残る世の中をつくるよりも、皆が安心して暮らせる世の中をつくる方がよっぽど難しい。でもこれができるのが日本の中小企業である。」
印象的な言葉でした。
中小企業が連携して、負けない地域をつくる。
中小企業でなくても、起業家の方々も、連携して地域を盛り上げる。地方が疲弊しているといわれる現在、小さな活動を応援していけるようになりたい・・・なんて思いました。(頑張ります!!)
最後の河野社長の言葉をもう一つ。
「10年間同じやり方で同じことを続けていると消えてなくなる」
1年に1歩でも、10年たったら10歩進んでますよね・・・。
そういう意味じゃないと怒られるかもしれませんが、マイペースで進んでいきたいと思います。