先日、私の師匠がシテ(主役)を演ずる舞台「熊野(ゆや)」を観てきました。
主人公の熊野は、遠江の国の出身で、平宗盛の愛妾。
故郷の母親の病気が重くなったという手紙を受け取り、遠江の国に帰りたいと願い出るところから始まります。
遠江の国は遠州のことですよね。
なんだかとっても親近感!
また、私が能を習い始めて、最初に習った仕舞が「熊野」でもあったのです。
ということで、とっても楽しみにしていた舞台でした。
いろいろな能楽師の方がいらっしゃいますが、私の師匠は1年に1度しかシテを演じません。
完成度の高い舞台にするためには、やむを得ないらしいのです(師匠談)。
姿勢、足の運び、手の動きなど、一生懸命観てきましたが、それでもなお、熊野の苦悩の感情が伝わってきて、すばらしかったです(私がいうのもなんですが・・・)。
普段のお稽古はとっても熱く、厳しく、とても楽しいとは言い難いのですが、師匠の能を観るたび、この人から学べることが本当に幸せだと思えます。
今年の春は絶対に熊野の長藤まつりに行ってみたいと思います。熊野の命日にあわせて行われているらしいので・・・。